業界・職種で異なる呼び方の理由と使い分けのコツ
はじめに
あなたは、取引先やサービス利用者を「クライエント」と呼んでいますか?
それとも「クライアント」?
実は、同じ英語「client」をカタカナ表記したこれらの言葉は、業界や職種によって使い分けられています。
この記事では、「クライエント」と「クライアント」の違いと、それぞれの適切な使い方について解説します。
さらに、言葉選びがビジネスに与える影響と、信頼関係を築くためのポイントについても紹介します。
業界・職種によって異なる呼び方の理由
「クライエント」と「クライアント」は、本来同じ意味を持つ言葉です。
しかし、日本語では分野によって使い分けられる傾向があります。
心理学・福祉分野
心理療法や福祉の分野では、サービスを受ける利用者を「クライエント」と呼ぶことが多いです。
「クライエント」(client)とは、もともとは、カウンセラーに相談を依頼する依頼者という意味です。
アメリカの臨床心理学者であり、来談者中心療法(Client-Centered Therapy)を創始したカール・ロジャーズ。
そのカール・ロジャーズが、心理相談の対象者を患者(patient)ではなくクライエント(来談者:client)と称しました。
そこからの由来で、臨床心理士の方や社会福祉関連では、サービスや援助を受ける利用者を「クライエント」と呼ぶ傾向があります。
このような事から、お客さまのことをクライアントと呼ぶ方は心理学を学んでいないビジネスよりの方だと判断されやすいですね。
ビジネス分野
一方、ビジネスシーンでは、取引先企業やサービスを受ける個人・企業を「クライアント」と呼ぶことがあります。
特に、コンサルティングやデザイン制作など、専門的な知識やスキルを必要とするサービスを提供する際に使われます。
以下、ビジネスシーンにおける「クライアント」の具体的な使用例です。
コンサルティング会社
コンサルタントは、経営課題の解決や事業戦略の策定など、専門的なアドバイスを提供します。
その際、アドバイスを受ける企業のことを「クライアント」と呼びます。
〇〇コンサルティングは、中小企業向けに経営戦略コンサルティングサービスを提供しています。これまでに、100社以上のクライアントの課題解決を支援してきました。
デザイン制作会社
デザイン制作会社は、ロゴやWebサイト、広告などのデザイン制作を行います。
その際、デザイン制作を依頼する企業のことを「クライアント」と呼びます。
△△デザインは、企業のブランディングに特化したデザイン制作会社です。大手企業から中小企業まで、幅広いクライアントから信頼を得ています。
弁護士
弁護士は、法律相談や訴訟代理などの法律業務を行います。
その際、法律業務を依頼する個人や企業のことを「依頼者」と呼ぶのが一般的ですが、専門的な知識やスキルを必要とすることから、「クライアント」と呼ぶこともあります。
□□法律事務所は、離婚問題や相続問題など、様々な分野の法律相談を受け付けています。経験豊富な弁護士が、クライアントの悩みに親身になって対応します。
このように、ビジネスシーンでは、専門的な知識やスキルを必要とするサービスを提供する際に、「クライアント」という呼称が使われることが多いです。
使い分けのポイント
ビジネスシーンで「クライアント」と「顧客」を使い分ける際は、以下のポイントを参考にしましょう。
- サービスの専門性: 専門的な知識やスキルを必要とするサービスの場合は、「クライアント」を使う
- 関係性: 長期的な関係を築きたい場合は、「クライアント」を使う
- 相手との距離感: 対等な関係性を築きたい場合は、「顧客」を使う
迷った場合は、「お客様」を使うのが無難です。
その他
IT業界では「クライアント」は「サーバーからサービスを受けるソフトウェア」を指します。
例えば、Webブラウザやメールソフトは、Webサーバーやメールサーバーから情報を受け取るために「クライアント」と呼ばれるソフトウェアを使用しています。
使い分けのポイント
- Webブラウザを使用する時
- メールソフトを使用する時オンラインゲームをプレイする時
言葉選びがビジネスに与える影響
言葉は、ビジネスにおいて非常に重要な役割を果たします。
適切な言葉選びは、相手に信頼感を与え、良好な関係を築き、ビジネスを成功に導くための重要な要素です。
信頼感
適切な言葉遣いは、相手に信頼感を与えます。丁寧な言葉遣い、専門用語の適切な使用、相手への配慮など、言葉遣いのひとつひとつが相手に与える印象を大きく左右します。
良好な関係
言葉選びは、相手との良好な関係を築くための重要なツールです。相手との距離感を縮め、共感を生み出すためには、相手の立場や状況に合わせた言葉遣いが重要です。
ビジネスの成功
適切な言葉選びは、プレゼンテーションや交渉など、ビジネスの様々な場面で成功に導きます。
相手に分かりやすく伝え、説得力のある話をするためには、言葉選びが重要です。
言葉選びのポイント
言葉選びのポイントがいくつかあります。
相手との関係性
相手との関係性や状況に合わせた言葉遣いを心がけましょう。
専門性
専門的な知識やスキルを必要とするサービスの場合は「クライアント」を使う。
丁寧さ
丁寧な言葉遣いは、相手に信頼感を与えます。
分かりやすさ
相手に分かりやすく伝えるためには、平易な言葉を使う。
共感
相手の立場や状況に共感し、共感を生み出す言葉を使う。
まとめ
「クライアント」は、業界によって異なる意味を持つ言葉です。
心理カウンセリングやIT業界、広告代理店など、使い方によって意味が変わります。
この記事では、業界別の「クライアント」の使い分け方を紹介しました。
「クライアント」を使い分けるポイントは、自分がどの業界にいるかと、誰に対して話しているかの2つです。
心理カウンセラーと話す場合は「クライエント」、ITエンジニアと話す場合は「クライアント」というように、相手に合わせて使い分けることで、よりスムーズなコミュニケーションを実現できます。
言葉選びは、相手への理解と信頼関係を築くための第一歩です。
今回ご紹介した内容を参考に、状況に合わせて適切な言葉を選び、相手に誤解を与えないようにしましょう。
言葉を丁寧に扱うことは、お客様への丁寧な対応にもつながりますね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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