社会に出た時に、必要とされる能力のひとつ
「コミュニケーション能力」。
2020年の大学入試改革などの教育制度改革でも、コミュニケーション能力は、重点課題とされています。
なぜなら、一般企業において、社会人として仕事をすすめる上での知識や経験だけではなく、コミュニケーション力をより強く求められているからです。
仕事の悩みで一番多いものは、人間関係の悩み=コミュニケーションの悩みともいわれます。
このように、チームで仕事をする時は勿論、個人事業を営むうえでも、必要不可欠な能力である「コミュニケーション能力」。
特に大切なものとして、大きく分けると以下の4つの能力に分類されるのではないでしょうか?
4つのコミュニケーション能力
- 傾聴 相手が、本当に何を伝えたいか共感し聞きだす。
- 理解 伝えたいことの理解力。汲み取り力
- 発信 自分の意見をしっかりと相手に伝える。
- 交渉 自分の意見を相手に納得させる。
1:傾聴とは
相手の話を黙って聞くことを「傾聴」と勘違いしていませんか?ほとんどの人が「話を聞くことぐらい誰にでもできる」「そのくらいすでにやっている」と思っているかもしれません。
しかし、本来の「傾聴」の本質をきちんと理解し、実践している人は、非常に少ないのが現実です。
「傾聴」の本質は、相手が、本当に何を伝えたいか共感し聞きだす事です。
気持ちや感情を伝えたいのか・・・・
事実を伝えたいのか・・・・
話をただ聞いてほしいのか・・・・
相手と誠実に向き合うことで、本当に何を伝えたいか、共感し聞き出すこと。
それが傾聴の本質です。
傾聴の方法
本やセミナーなどでは、「おうむ返し」や「目を見つめる」、「うなずく」「あいずち」「笑顔」などのスキルを教えています。
これらのスキルも大切ですが、そこに重点をおくと「本質」である、「相手と誠実に向き合うこと」が出来なくなります。
「相手と誠実に向き合うこと」を第一に考えて聴いていると、自ずと耳だけではなく、体全体で相手の話を聞くことになります。
例えば、手の位置や向き。
何を伝えたいかという事に一生懸命になると、自然と自分の手の位置も変わってきます。
膝に置いて聞く受け身の聴き方ではなく、相手を受け入れる手の置き方に自然となります。
目の前の人の話を一生懸命聴いていれば、自然とアクションができます。
スキルにとらわれることは「傾聴」とは真逆になります。
本当の傾聴は、全身全霊で相手の心に寄り添うので非常に「疲れます」
疲れない傾聴は「聴いているつもり」なのかもかもしれません。
聴き上手は商売上手
商品やサービスを売る(セールス)事が上手な人は、話上手よりも聞き上手です。
お客様は、興味のない商品の説明を聞きたいのではなく、今困っていることを話したいのです。
傾聴が出来ると、リピーターとなるお客様は必ず増えます。
2:お客様の言っている事をくみ取る力「理解力」
理解力とは、相手の言っている事を理解する力、くみ取り力。
最近はやりの言葉では「忖度」するという事も理解力が必要です。
仕事において「理解力」が乏しいと、ミスをしたり、相手に嫌な思いをさせてしまったりします。
それでは、具体的に理解力が乏しいとはどういった状況でしょうか。
以下に、具体的な例をあげてみます。
理解力が乏しい人の4つの特徴
- 相手の話を聞けない
特徴としては、傾聴が苦手なので、自分が話したい事を優先してしまい、最後まで話を聞かないため、相手とのコミュニケーションに影響がでます。また、自分が一番正しいと思っているので、他者の意見に耳を傾けない事も特徴です。人の話を否定的に捉えてしまったり、いつも勝手な解釈で思い込む事も多いでしょう。 - :応用力・想像力がない
話の内容を理解し想像することが苦手なため、毎回同じ事を聞く。本質を見ず、表象(パフォーマンス)に目を奪われやすい。 - 知識が乏しい
専門的な知識が不足し、相手の言う事を理解できない。 - 読解力にかける
文章を読んだり書くことが苦手なため、本質を掴む力が不足している。表面上の事しか見ない・見れない(パフォーマンス重視)
理解力を磨く方法
汲み取り力、理解力を磨く方法を簡単にまとめてみました。
- 相手の話を、最後までしっかりと聞く。
- 仕事で必要な専門知識を勉強し蓄える。
- 理解したと思ったことを実際に応用し、実践する。
- 自分に謙虚となり、自分の価値観はもとより相手の価値観も認める。(Im ok !You are Ok!)
- 読解力・想像力を上げる為に積極的に本を読む。
3:発信力とは
自分が考えていることを、相手にわかりやすく伝える力が発信力です。
多様な価値観があふれる現代では、以前にもましてこの発信力が必要とされています。
人に何かを伝えるとき、重要度から考えると下記のようなコミュニケーション方法の順番になります。
- 対面であって伝える
- 電話
- 文書
- メール
しかし、いつも対面で伝えること事ができるとは限りません。特にコロナ禍の現在においては難しい事です。
どうしてもの、緊急性を要するときには、電話が最適ですし、同じことを一斉に伝えたいときにはメールを使うことも多いでしょう。
特にIT化が進んだ現代社会では、メールやSNSでのコミュニケーションが欠かせません。
初めてのお客様のお問合せも、まずはメールや電話でのコミュニケーションが、最初の場合が多いことでしょう。
メールなどで起こりがちなミスコミュニケーション
メールや電話でのミスコミュニケーションが起こる原因は、相手に伝わる言葉や文章を使わないことです。
相手を尊重し「言葉」を大切に扱い、本質を丁寧に伝えることでミスは防げます。
例えば「お世話様です」と「お世話になっております」の違い。
同じような言葉ですが、ビジネスメールでは「お世話様です」はあまり使いません。
「お世話様です」は「お世話になっております」に比べ敬意が軽く、人によっては失礼と捉えられるからです。
丁寧に言葉を選ぶ事でミスコミュニケーションは防げます。
発信力を上げる三つのテクニック
ビジネスで大切な発信力。どうすれば発信力を上げることができるでしょうか。
様々な方法がありますが、まずは簡単な方法を3つまとめてみました。
- 伝えたい相手の立場に立って発信する。
- 伝えたいことを理解しやすいようにあらかじめ順序立てて話す。
- 文章を読む量や書く量を増やし、使う言葉の質を上げる。
4:交渉
相手が、本当に何を伝えたいか共感し聞きだし、そのうえで何を言いたいのか、課題、疑問は何なのかをくみ取ったうえで、自分の意見をしっかりと相手に提案し、相手に心より納得していただく。
これがビジネス=営業の基本です。
最後の交渉が出来ない営業マンも、売る側の立場でしか、交渉しない人って多いですよね。
ビジネスでのべストな交渉とは、Im OK! You are OK!。
相手をこちらの意のままにしたり、コントロールすることでは決してありません。
自分も相手も喜ばしい結果をもたらす事が、ビジネスコミュニケーションにおける交渉力です。
なぜ、自分の利益だけの交渉はダメなのでしょうか。
それには理由があります。
ビジネスで大切なことは、お客様がリピート・継続して購入してくれる事です。どちらか一方が利益を上げ過ぎると、そのビジネスは長続きしません。
この点を、見落として交渉をして、相手を意のままに操ってしまうと、その場は利益が出ますが、そのお客様とは継続しての取引はできません。
そのため、毎回新規顧客を開拓する事が必要になります。
逆に、お客様の言いなりになる事も継続したビジネスを構築することができません。
ビジネスにおける交渉の目的は、自社の利益を確保することももちろん大切ですが、短期的な利益ではなく中長期的な利益を考えたうえで交渉することが、お客様とのWinWinの関係を長く築く事ができます。
知っておきたい交渉のコツ
- 相手を否定しない事。
・条件や価値観が違うだけで、相手は敵ではありません。
・いいかえれば、同じ目的への相通じる価値を見出す仲間です。 - 感情的ではなく論理的に意見の相違点を具体的に示す。
- 相手の良さも認めたうえで自分の意見を伝える。
- 交渉できる相手と交渉する
・最初から交渉するつもりのない相手(自分の意見を押し通そうとする相手)や、決定権の無い相手とは交渉をしない。 - 交渉がうまく行くとは限らない事を理解しておく。
ビジネスコミュニケーションで必要とされる交渉力。基本は、「Im OK! You are OK!」です。
以上、仕事で必要とされるコミュニケーション能力についてまとめてみました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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